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ここで紹介したSageワークシートは、以下のURLからダウンロードできます。
http://www15191ue.sakura.ne.jp:8000/home/pub/2/
また、Sageのサーバを公開しているサイト(http://www.sagenb.org/, http://www15191ue.sakura.ne.jp:8000/)にユーザIDを作成することで、ダウンロードしたワークシートを アップロードし、実行したり、変更していろいろ動きを試すことができます。
Sageを使用する際に知っていると便利な約束事(表記方法)があります。 代表的なものについて、以下に示します。
Sageは、pythonのインタプリタを使っているため、pythonの構文がそのまま使えます。
pythonでのコメント(実行に影響しない注釈)は、#記号から行末がコメントとして扱われます。 コメントには日本語も使用できますので、式の説明やメモを入れておくと後で役立ちます。
sageへの入力:
# print 1 + 3 この行はコメントです。 print 1 + 3 + 5
sageの出力:
9
複数の式を1行にまとめるには、式を;(セミコロン)で区切ります。
セルを評価するとprint文やshowコマンドの結果、それと一番最後の結果が表示されます。 しかし、最後の代入文の結果は表示されないため、例のように;(セミコロン)の後に変数名 を入力します。
sageへの入力:
b = 1 + 3; print b # 複数の式を1行にまとめるには、式を;(セミコロン)で区切ります。 a = 1; a # 代入の結果は、値を返さないので;で区切って変数名を書いて代入結果を表示します。
sageの出力:
4 1
計算結果をpython変数に代入するときには、= (イコール)を使います。 python変数と断っているのは、sageの数式で使われる変数と区別するためです。
aの値を数値として出力するには、N関数またはnメソッドを使います。
sageへの入力:
a = 1/2 + 1/3; print a N(a)
sageの出力:
5/6 0.833333333333333
タプルは、カンマで区切られた値からなるシーケンスデータ型です。 タプルの出力は()カッコで括られたカンマ区切りの形式で表示されます。
タプルの変数への代入をタプル・パッキングと呼び、逆にタプルから変数への代入をシーケンス・アンパッキングと呼びます。 シーケンス・アンパッキングは変数への一括代入に使用すると便利です。
リストや辞書と合わせるために、あえてカッコ()をつけてタプルを使用しることにします。
sageへの入力:
t = (1, 2, 3); print t # 変数tへのタプル(1, 2, 3)の代入(タプル・パッキング) (x, y, z) = t; print x, y, z # タプルtから変数x, y, zへの代入(シーケンス・アンパッキング)
sageの出力:
(1, 2, 3) 1 2 3
sageでは、リストがもっとも重要なデータ構造になります。 タプルとは異なり、リストでは要素の参照の他に、要素の追加、削除、結合などの操作ができます。
sageへの入力:
L1 = [1, 2, 3]; print L1 # リストの生成 L2 = [9, 8, 7] L1.append(4); print L1 # 要素の追加 print L1[2] # 要素の取得 print L1[1:3] # 部分リストの取得 print L1[-1] # 最後の要素は、-1で参照 print L1 + L2 # リストの結合
sageの出力:
[1, 2, 3] [1, 2, 3, 4] 3 [2, 3] 4 [1, 2, 3, 4, 9, 8, 7]
辞書、別名「連想配列」と言われ、リストのインデックスの代わりにキーで値を取得することが できます。
sageへの入力:
ages = {'John':24, 'Sarah':28, 'Mike':31}; # 辞書の生成 print ages # 辞書の出力 print ages['Sarah'] # 要素の取得
sageの出力:
{'Sarah': 28, 'Mike': 31, 'John': 24} 28
sageの式で変数として認識させるには変数をvar関数で宣言しなくてなりません。変数の宣言は、
pre> var('変数名')
/pre> 複数の変数を宣言する場合には、スペースを空けて指定します。 宣言される変数を参照したりする場合には、
pre> x, y = var('x y')
/pre> のようにpython変数x, yに宣言したsage変数を代入します。
sageの関数には、以下の3種類の指定方法があります。必要に応じて使い分けて下さい。
sageへの入力:
# シンボリック関数 symRoot(x) = x^(1/2) # python関数 def pyRoot(x): return x^(1/2) # lambda関数 lamRoot = lambda x: x^(1/2) # 関数の呼び出し print symRoot(2), pyRoot(2), lamRoot(2) # 数式が引数の場合 x, y = var('x y') print symRoot(x+y), pyRoot(x+y), lamRoot(x+y)
sageの出力:
sqrt(2) sqrt(2) sqrt(2) sqrt(x + y) sqrt(x + y) sqrt(x + y)
変数の値を指定して関数の値を取得するには、以下の3つの方法があります。
以下の例では\(f(x) = a x + b\)の関数をf(x)、g(x, a, b)で定義した場合のa, bの値の代入方法 を示しています。subsの場合には、a=2, b=1のようにカンマで区切って値をセットする方法と辞書形式 で与える方法が使用できます。var関数で変数を定義すればa=c, b=dのように別の変数への置換も可能です。
sageへの入力:
# 関数f, g、変数x, a, bを定義 var('x a b') f(x) = a*x + b g(x, a, b) = f print g(x, 2, 1) print f(a=2, b=1) print f.subs(a=2, b=1) print f.subs({a:2, b:1}) # 変数c, dへの置換 var('c d') print f.subs(a=2*c, b=d+1)
sageの出力:
2*x + 1 2*x + 1 x |--> 2*x + 1 x |--> 2*x + 1 x |--> 2*c*x + d + 1
規則の代入には、subs_expr関数を使います。例として、関数hの\(x^2\)をwに置き換えてみます。
変数の置換では行えない変換もsub_exprを使うことによって可能になります。
sageへの入力:
var('w') h = x^2 + 3; print h # 関数hの定義 print h.subs_expr(x^2 == w) # x^2をwに置き換える
sageの出力:
x^2 + 3 w + 3
直前の実行結果を _ で参照することができます。
sageへの入力:
[1, 2, 3]
sageの出力:
[1, 2, 3]
sageへの入力:
sum(_) # 直前の実行結果を_で参照し、リストの和を求めます。
sageの出力:
6
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