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GMC-4は、学研の「大人の科学」Vol.24の付録に付いている4ビットマイコンボードです。
http://otonanokagaku.net/magazine/vol24/index.html
GMC-4には、
が載っており、
を持っています。
として使用され、その他は、補助用のレジスタとなっています。
GMC-4の命令セットは、
命令コード | 命令記号 | 実行フラグ | 機能 |
0 | KA | 0,1 | 押している数字キーをArに入れる。押されていない場合は実行フラグが1。 |
1 | AO | 1 | Arの内容を数字LEDに点灯する。 |
2 | CH | 1 | ArとBr、YrとZrの内容をそれぞれ入れ替える。 |
3 | CY | 1 | ArとYrの内容を入れ替える。 |
4 | AM | 1 | Arの内容をデータメモリに入れる。 |
5 | MA | 1 | データメモリの内容をArに入れる。 |
6 | M+ | 0,1 | データメモリの内容にArの内容を加え、Arに入れる。桁上げがあると実行フラグが1。 |
7 | M- | 0,1 | データメモリの内容からArの内容を引き、Arに入れる。引けないとき実行フラグが1。 |
8 | TIA | 1 | 命令の次のデータをArに入れる。 |
9 | AIA | 0,1 | Arの内容に命令の次のデータを加え、Arに入れる。桁上げがあると実行フラグが1。 |
A | TIY | 1 | 命令の次のデータをYrに入れる。 |
B | AIY | 0,1 | Yrの内容に命令の次のデータを加え、Yrに入れる。桁上げがあると実行フラグが1。 |
C | CIA | 0,1 | Arと命令の次のデータを比べる。異なる場合は実行フラグが1。 |
D | CIY | 0,1 | Yrと命令の次のデータを比べる。異なる場合は実行フラグが1。 |
F | JUMP | 1 | 実行フラグが1のとき、続けて指定したアドレスにジャンプする。 |
この他にサービスコールとして、
命令コード | 命令記号 | 実行フラグ | 機能 |
E0 | CAL RSTO | 1 | 数字LEDを消灯する。 |
E1 | CAL SETR | 1 | 2進LEDを1個点灯する。点灯するLEDはYrで指定する。 |
E2 | CAL RSTR | 1 | 2進LEDを1個消灯する。消灯するLEDはYrで指定する。 |
E4 | CAL CMPL | 1 | Arの内容をbit反転する。 |
E5 | CAL CHNG | 1 | Ar、Br、Yr、Zrと補助レジスタA'r、B'r、Y'r、Z'rの内容を入れ替える。 |
E6 | CAL SIFT | 0,1 | Arの内容を1bit右へ移動する。結果が偶数のとき実行フラグが1。 |
E7 | CAL ENDS | 1 | エンド音を鳴らす。 |
E8 | CAL ERRS | 1 | エラー音を鳴らす。 |
E9 | CAL SHTS | 1 | "ピッ"という音を鳴らす。 |
EA | CAL LONS | 1 | "ピー"という音を鳴らす。 |
EB | CAL SUND | 1 | Arの内容に対応する音階を鳴らす。 |
EC | CAL TIMR | 1 | (Arの内容+1)×0.1秒間プログラムの実行を停止する。 |
ED | CAL DSPR | 1 | データメモリの内容を2進LEDに点灯する。5F番地の内容を上位、5E番地の内容を下位に表示する。 |
EE | CAL DEM- | 1 | データメモリからArの内容を引き、10進数に直してデータメモリに入れる。 |
EF | CAL DEM+ | 1 | データメモリにArの内容を加え、10進数に直してデータメモリに入れる。桁上げがある場合は一つ前の番地の値に1を加える。 |
があります。*1
GMC-4では、
することで、プログラミングします。しかし、これではミスも多く、小さなプログラムを作るのでも大変です。
そこで、以下のような簡易言語から命令セットに変換するコンパイラーを作成しました。
例)15秒カウンタ
int a; a = 15; while (a > 0) { out(a); shts(); a = a - 1; timer(10); }
生成された命令セット(アセンブラ)は、
TIA f TIY 0 AM L1: TIY 0 TIA 0 AIA 1 M- JUMP L2 TIY 0 MA AO CAL SHTS TIY 0 TIA 1 M- TIY 0 AM TIA a CAL TIMR JUMP L1 L2: CAL ENDS L3: JUMP L3
命令セットからコードに翻訳するアセンブラが、以下のサイトにあります。
http://www.musashinodenpa.com/misc/GMC4/
ここで変換すると
アドレス 命令 命令コード 00 TIA 8 01 <F> F 02 TIY A 03 <0> 0 04 AM 4 05 TIY A 06 <0> 0 07 TIA 8 08 <0> 0 09 AIA 9 0A <1> 1 0B M- 7 0C JUMP F 0D <0> 0 0E <2> 2 0F TIY A 10 <0> 0 11 MA 5 12 AO 1 13 CAL E 14 _SHTS 9 15 TIY A 16 <0> 0 17 TIA 8 18 <1> 1 19 M- 7 1A TIY A 1B <0> 0 1C AM 4 1D TIA 8 1E <A> A 1F CAL E 20 _TIMR C 21 JUMP F 22 <0> 0 23 <5> 5 24 CAL E 25 _ENDS 7 26 JUMP F 27 <2> 2 28 <6> 6
ただし、最初のJUMP 02はバグのようで必ず最初のJUMPの値が正しくセットされません。 正しくは、JUMP 24です。
GMC-4の元になった「FX-マイコン」のシミュレータが以下のURLに公開されています。
http://homepage2.nifty.com/kocha_web/fxms/fxms.html
これを使って生成されたコードが正しく動作するか試してみます。*2
言語は、命令セットの影響を強く受け、
となりました。
コンパイラーの処理する言語仕様を以下に示します。
prog :: declaration* statement+ declaration :: int ID ( ',' ID )* compoundStatement :: '{' statement+ '}' statement :: expr ';' | ID '=' expr; | ';' | compoundStatement | ifStm | whileStm | 'led' '(' expr ')' ';' | 'out' '(' expr ')' ';' | 'cmpl' '(' expr ')' ';' | 'shift' '(' expr ')' ';' | 'shts' '(' expr ')' ';' | 'sound' '(' expr ')' ';' | 'timer' '(' expr ')' ';' expr :: '$A' | 'key' '(' ')' | term ( '+' CONST | '+' ID )* | ID '-' CONST | ID '-' ID term :: CONST | ID ifStm :: 'if' '(' comparisonExpr ')' statement whileStm :: 'while' '(' comparisonExpr ')' statement comparisonExpr :: '$Z' | 'key' '(' ')' | ID '>' CONST | term '==' ( ID | CONST ) ID :: ('a'..'z'|'A'..'Z')('a'..'z'|'A'..'Z'|'0'..'9')* CONST :: '0'..'9'+
GMC-4コンパイラーのEclipseプロジェクトを以下のファイルをダウンロードしてください。
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