2014/11/16からのアクセス回数 5439
勉強会の参加者で、I2Cのデバイスを使ってパソコンにデータを送る小さなアダプターあると便利という ご意見があり、LPC810を使って試してみようと思います。
ここで、紹介しているプログラムは、Githubにlbed/LBED_LPC810から取得できます。
サンプリングレートが1秒間に1回程度なので、パソコンへはGPIOを使ったソフトシリアルで通信します。 *1
LPC810の5番ピンをソフトシリアルの送信用に使用します。 LM73を使って温度センサーの値をシリアルに送信ガジェットをブレッドボードに組みました。
どうもI2Cデバイスからの応答が2回目以降表示されない、奇妙なバグが発生しました。
こんな時には、プロトコルアナライザとして購入しておいたLabToolの出番です。
ターゲットデバイスとLabToolの結線を以下に示します。 *2
ここでは、D1, D2にSDA, SCLを接続しました。
LabTool | LPC810 |
D1: 茶 | 8: SDA |
D2: 赤 | 2: SCL |
デバッガでI2C関連の関数でブレークポイントをセットし、
をアナライザーに掛けてみると以下のようになりました。
初期化は、プログラム通りの動きを確認
1回目の読み込みでは、
一方2回目の読み込みでは、
これまで何回も使っていたLM73::readメソッドにバグがあることが判明しました。 送信用のコマンド0x00をセットするのを忘れていた。
int LM73::read() { char cmd[2]; // cmdの1バイト目を0をセットし忘れている。2014/11/16発見 cmd[0] = 0; i2c.read( LM73_ADDR, cmd, 2); // Send command string int int_val = cmd[0] <<1 | cmd[1]>>7; int ceil_val = ((cmd[1] & 0x7f)*200) >>8; return (int_val*10 + ceil_val/10); }
LPC810では、float型を使用すると急にプログラムサイズが大きくなるため、 温度センサーLM73の戻り値を小数点1桁までの温度を整数とする値に変更しました。
以下にI2Cから読み込んだ値をシリアルに送信するプログラムを示します。 このプログラムは、I2CデバイスLM73から値を読み取り、シリアルに4800ボーで送信する 簡単なものです。
#include "lbed.h" #include "SoftSerialTxOnly.h" #include "LPC8xx.h" // 4800bps #define SERIAL_TIME_PER_BIT1 105 #define SERIAL_TIME_PER_BIT2 104 SoftSerialTxOnly::SoftSerialTxOnly(PinName pin) : _out(pin) { } int SoftSerialTxOnly::_putc(int value) { uint8_t data = value; _out = 0; wait_us(SERIAL_TIME_PER_BIT1); uint8_t i; for (int cnt = 0, i=0x01; cnt < 8; i<<=1, cnt++) { if (data & i) _out = 1; else _out = 0; wait_us(SERIAL_TIME_PER_BIT2); } _out = 1; wait_us(SERIAL_TIME_PER_BIT1); return value; }
メインのプログラムは、以下の通りです。
/* SoftSerialTxOnly I2CデバイスLM73から値を読み取り、シリアルに4800ボーで送信する */ #ifdef __USE_CMSIS #include "LPC8xx.h" #endif #include <cr_section_macros.h> #include "lbed.h" #include "SoftSerialTxOnly.h" #include "LM73.h" int main(void) { // lbedライブラリの初期化 lbed_setup(); /* I2C用スイッチマトリックスの設定 */ I2C_SwitchMatrix_Init(); // 8番ピンSDA, 2番ピンSCL LM73lm73(P8, P2); // 5番ピンをURARTのRxに接続 SoftSerialTxOnly pc(P5); pc.println("Hello World\n"); while(1) { pc.print("temp="); //pc.print(lm73.read(), 2); // floatを使うとサイズオーバーになるので、0.1度までを整数で出力 int v = lm73.read(); pc.print(v, DEC); pc.println(); wait_ms(1000);// 1秒待つ } return 0 ; }
皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。勉強会で分からなかったこと等、お気軽に問い合わせて下さい。
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