2015/10/17からのアクセス回数 6093
トランジスタ技術2015年10月号(トラ技2015/10と書きます)で紹介されている 「手を叩くと光り出すフルディスクリートLEDイルミネーション」 を作ってみました。
部品もCQ出版で購入できるので、地方に住む私でも簡単に実験ができました。
実際に動かしている動画が以下に公開しています。
全体の回路をトラ技2015/10の図2から引用します。
トラ技2015/10の特集記事はとても良くできていて、回路の抵抗値がどのようにして 計算されたのか実験とLTSpiceを使ったシミュレーションで丁寧に説明しています。
基本は、以下の3つです。
これまで、何の疑問もなく\(V_{BE}\)は0.6と覚えていましたが、 0.6V近辺で頭打ちになる性質を使って、電圧の計算がとても簡単にできることを再確認しました。
トランジスタの\(V_{BE}\)を測る回路をトラ技の図7から引用します。
この回路をブレッドボードに以下の様に組み立て、Arduinoのオシロスコープと Arduinoを使ったノコギリ波で試してみました。 *1
Arduino勉強会/08-オシロスコープを使ってみるで紹介したArduinoのオシロスコープで、 ノコギリ波と\(V_{BE}\)を測ってみました。電圧は1メモリ1V、横軸の時間は1メモリ10m秒です。
上段のノコギリ波は、2.5Vまで直線上に上昇していますが、 下段の\(V_{BE}\)は、0.7V近辺で横ばいになっています。
このようにArduinoオシロスコープを使うと簡単にトランジスタの実験が できます。
マイク・アンプの回路を図2から抜粋します。
マイクの回路(左の緑の矩形)は、データシートを元にされたと記事にありました。 *2
右の矩形がアンプで、 電子工作/もう一度トランジスタでも紹介したエミッタフォロワーの増幅回路です。
これをブレッドボードで実装しました。
Arduinoのオシロスコープで手を叩いたときのA点とB点の波形を取り込んでみました。
上がA点で1メモリが0.5V、下がB点で1メモリが2.0Vで、 時間軸は1メモリ10m秒で表示しています。
CQ出版からダウンロードしたファイルに付属していた、LTSpiceのモデルを使ってアンプの増幅を計算してみました。
以下の回路で、シミュレーションを実施しました。
VinとVoutは、以下の様に計算され、Arduinoのオシロスコープで測定されたのと同様の増幅がみられました。
双安定マルチバイブレータにスイッチ付けた回路をブレッドボードに組みました。
Arduinoのオシロスコープで黒と赤のスイッチで反転している様子が確認できました。 *3
これは、デジタルのフリップフロップ回路と同じ動作をしています。
これを以下のLTspiceのモデル*4で シミュレーションしてみました。
Arduinoオシロスコープの測定範囲が0.0〜5.0Vのため、以下の様なマイナスのひげは みることができませんでした。
最後に、無安定マルチバイブレータの出力波形(OUT1, OUT2)をArduinoオシロスコープでみてみます。
一方が0Vになった瞬間からコンデンサーに電荷が蓄えられる様子が確認できます。
LTspiceで以下の無安定マルチバイブレータ回路をシミュレーションします。
シミュレーションの出力は以下の様になります。
Arduinoオシロスコープの出力は、以下の様になっています。
Arduinoオシロスコープの測定範囲が0.0〜5.0Vのため、0Vからの出力になっていますが、
同様の波形が見られます。
とても簡単に作れるArduinoオシロスコープでも、トランジスタの実験には 十分使えることが分かりました。
皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。勉強会で分からなかったこと等、お気軽に問い合わせて下さい。
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