2014/03/16からのアクセス回数 3920
ここで紹介したSageワークシートは、以下のURLからダウンロードできます。
http://www15191ue.sakura.ne.jp:8000/home/pub/37/
また、Sageのサーバを公開しているサイト(http://www.sagenb.org/, http://www15191ue.sakura.ne.jp:8000/)にユーザIDを作成することで、ダウンロードしたワークシートを アップロードし、実行したり、変更していろいろ動きを試すことができます。
これまで、RのグラフをSageで表示したり、RとSage間でのデータの受け渡しを紹介してきましたが、 Rでもっともよく使われるデータフレームについて、まったく考えていませんでした。
しかし、Pandasの機能が強力であり、とても使えるツールであることからRとPandas間のデータフレーム を相互変換することに挑戦してみます。
また、Rのグラフ表示で使っていたRUtil.pyもPNGファイルベースとして高速化をはかり、ここにデータフレーム の相互変換機能を追加することになりました。
新たに追加したデータフレーム変換関数は、以下の2個です。
データフレーム変換で使用するSageのライブラリーは、pandasとnumpyです。 Rは、jsonliteをパッケージを使用します。
sageへの入力:
# RとPandasのデータフレームを相互に変換する方法 # Sageでは、numpyとpandasをインポート import pandas as pd import numpy as np # Rではjsonliteパッケージを使用 r('library(jsonlite)') # 例としてR Graphic Cookbookのデータを使用 #r("install.packages('gcookbook')") r('library(gcookbook)')
[1] "jsonlite" "gcookbook" "stats" "graphics" "grDevices" "utils" "datasets" "methods" [9] "base"
RからPandasにデータフレームを変換するために、jsonliteのtoJSONとPandasのread_json関数を使用します。
以下にgcookbookのサンプルデータheightweightをRからPandasのデータフレームに変換する例を示します。
sageへの入力:
# RからJSON形式でデータを持ってくる方法 # 例として、gcookbookのサンプルデータをRから取得する test_json = r('toJSON(heightweight, pretty=FALSE)') heightweight = pd.read_json(sageobj(test_json)); heightweight.head()
ageMonth ageYear heightIn sex weightLb 0 143 11.92 56.3 f 85.0 1 155 12.92 62.3 f 105.0 2 153 12.75 63.3 f 108.0 3 161 13.42 59.0 f 92.0 4 191 15.92 62.5 f 112.5 [5 rows x 5 columns]
上記の処理をRDfPandasDfという関数にまとめると以下の様になります。
sageへの入力:
# これを関数にまとめる # Rのデータフレームをpandasのデータフレームに変換する def RDf2PandaDf(name): json_str = r('toJSON(%s, pretty=FALSE)' % name) return pd.read_json(sageobj(json_str))
RDf2PandasDfを使ってgcookbookのサンプルデータheightweightをRからPandas(Sage) にデータを持ってくる場合の例です。
Rのデータフレーム名をRDf2PandasDfの引数とするとPandasのデータフレームに変換されて返されます。
sageへの入力:
print RDf2PandaDf('heightweight').head()
ageMonth ageYear heightIn sex weightLb 0 143 11.92 56.3 f 85.0 1 155 12.92 62.3 f 105.0 2 153 12.75 63.3 f 108.0 3 161 13.42 59.0 f 92.0 4 191 15.92 62.5 f 112.5 [5 rows x 5 columns]
今度は、逆にPandasのデータフレームをRのデータフレームに変換します。 いろいろ試したのですが、writeJSONを使った変換では上手く処理できず、 もっともオーソドックスなカラム名とデータフレームのvaluesをzipとdictを 使って辞書の配列に変換する方式に行き着きました。
sageへの入力:
# 同様に関数にまとめる # pandasのデータフレームをRに渡す def PandaDf2RDf(df, name): l = [dict(zip(df.columns, x)) for x in df.values.tolist()] json_str = str(l) json_str = json_str.replace("'", '\\"') r('%s <- fromJSON("%s")' % (name, json_str))
年齢と性別のデータフレームをPandasで作成し、それをPandaDf2RDfを使って Rのデータフレームに変換します。
sageへの入力:
# PandasのデータをRに渡す age = [20, 22, 25, 27, 21, 23, 37, 31, 61, 45, 41, 32] sex = ['F', 'M', 'M', 'M', 'F', 'M', 'F', 'M', 'F', 'M', 'F', 'M'] df = pd.DataFrame({'age': age, 'sex': sex}); df.head()
age sex 0 20 F 1 22 M 2 25 M 3 27 M 4 21 F [5 rows x 2 columns]
PandaDf2RDfの引数は、変換するデータフレームとRでのデータフレーム変数名です。
以下の例では、上記で作成したdfをRのデータフレームに変換し、aという変数にセットし、 それをSageのr関数を使って表示しています。きちんと変換できているのが確認できます。
sageへの入力:
PandaDf2RDf(df, "a") r('a')
age sex 1 20 F 2 22 M 3 25 M 4 27 M 5 21 F 6 23 M 7 37 F 8 31 M 9 61 F 10 45 M 11 41 F 12 32 M
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