[[Arduino勉強会]] #contents 2015/10/17からのアクセス回数 &counter; ** LEDイルミネーション [#od6d50e9] トランジスタ技術2015年10月号(トラ技2015/10と書きます)で紹介されている 「手を叩くと光り出すフルディスクリートLEDイルミネーション」 を作ってみました。 部品もCQ出版で購入できるので、地方に住む私でも簡単に実験ができました。 &ref(board.png); 実際に動かしている動画が以下に公開しています。 - https://www.facebook.com/hiroshi.takemoto.94/videos/877183202388707/?l=4810678554336115820 *** 回路 [#u83d4426] 全体の回路をトラ技2015/10の図2から引用します。 &ref(sch.png); *** トランジスタの基礎 [#p93d43d6] トラ技2015/10の特集記事はとても良くできていて、回路の抵抗値がどのようにして 計算されたのか実験とLTSpiceを使ったシミュレーションで丁寧に説明しています。 基本は、以下の3つです。 - ベース・エミッタ間の電圧: \(V_{BE}\) = 0.6 〜0.8 V(計算では0.6Vで計算しています) - トランジスタの電流増幅は: Ic = β Ib(通常β=100で計算します) - オームの法則: V = R I これまで、何の疑問もなく\(V_{BE}\)は0.6と覚えていましたが、 0.6V近辺で頭打ちになる性質を使って、電圧の計算がとても簡単にできることを再確認しました。 トランジスタの\(V_{BE}\)を測る回路をトラ技の図7から引用します。 &ref(fig7.png); この回路をブレッドボードに以下の様に組み立て、Arduinoのオシロスコープと Arduinoを使ったノコギリ波で試してみました。 ((Arduinoのスケッチは、[[arduino/DACを試す]]を参考にしてください。今回は4096ではなく、2048でループを回しました。)) &ref(Vbe_brd.png); [[Arduino勉強会/08-オシロスコープを使ってみる]]で紹介したArduinoのオシロスコープで、 ノコギリ波と\(V_{BE}\)を測ってみました。電圧は1メモリ1V、横軸の時間は1メモリ10m秒です。 上段のノコギリ波は、2.5Vまで直線上に上昇していますが、 下段の\(V_{BE}\)は、0.7V近辺で横ばいになっています。 &ref(V_BE_osc.png); このようにArduinoオシロスコープを使うと簡単にトランジスタの実験が できます。 *** マイク・アンプ回路 [#jcb49150] マイク・アンプの回路を図2から抜粋します。 &ref(mic_amp_sch.png); マイクの回路(左の緑の矩形)は、データシートを元にされたと記事にありました。 ((恥ずかしいですが、今回コンデンサーマイクは電圧をかけないと使えないことを知りました。)) 右の矩形がアンプで、 [[電子工作/もう一度トランジスタ]]でも紹介したエミッタフォロワーの増幅回路です。 これをブレッドボードで実装しました。 &ref(mic_amp_brd.png); Arduinoのオシロスコープで手を叩いたときのA点とB点の波形を取り込んでみました。 上がA点で1メモリが0.5V、下がB点で1メモリが2.0Vで、 時間軸は1メモリ10m秒で表示しています。 &ref(th_mic_amp_oci.jpg); CQ出版からダウンロードしたファイルに付属していた、LTSpiceのモデルを使ってアンプの増幅を計算してみました。 以下の回路で、シミュレーションを実施しました。 &ref(LTSpice_Amp_sch.png); VinとVoutは、以下の様に計算され、Arduinoのオシロスコープで測定されたのと同様の増幅がみられました。 &ref(LTSpice_Amp_Graph.png); ** 双安定マルチバイブレータ [#ta28efcf] 双安定マルチバイブレータにスイッチ付けた回路をブレッドボードに組みました。 &ref(th_stable_brd.jpg); Arduinoのオシロスコープで黒と赤のスイッチで反転している様子が確認できました。 ((このスナップ写真を撮るのに苦労しました)) これは、デジタルのフリップフロップ回路と同じ動作をしています。 &ref(th_stable_osc.jpg); これを以下のLTspiceのモデル((CQ出版からダウンロードしたBistableMultiVibrator1.asc))で シミュレーションしてみました。 &ref(BistableMultiVibrator_sch.png); Arduinoオシロスコープの測定範囲が0.0〜5.0Vのため、以下の様なマイナスのひげは みることができませんでした。 &ref(BistableMultiVibrator_Graph.png); ** 無安定マルチバイブレータ [#m4b936a9] 最後に、無安定マルチバイブレータの出力波形(OUT1, OUT2)をArduinoオシロスコープでみてみます。 一方が0Vになった瞬間からコンデンサーに電荷が蓄えられる様子が確認できます。 &ref(th_aStable_osc.jpg); *** LTspiceのシミュレーション [#xba51f8e] LTspiceで以下の無安定マルチバイブレータ回路をシミュレーションします。 &ref(aStable_sch.png); シミュレーションの出力は以下の様になります。 &ref(aStable_Graph.png); Arduinoオシロスコープの出力は、以下の様になっています。 Arduinoオシロスコープの測定範囲が0.0〜5.0Vのため、0Vからの出力になっていますが、 同様の波形が見られます。 &ref(th_aStable_Ve_osc.jpg); とても簡単に作れるArduinoオシロスコープでも、トランジスタの実験には 十分使えることが分かりました。 ** コメント [#d9e700f5] #vote(おもしろかった[3],そうでもない[0],わかりずらい[0]) #vote(おもしろかった[4],そうでもない[0],わかりずらい[0]) 皆様のご意見、ご希望をお待ちしております。勉強会で分からなかったこと等、お気軽に問い合わせて下さい。 スパム防止に画像の文字列も入力してください。 #comment_kcaptcha